【体験記】思考できない自分と出会った5日間──病と生成AIと脳の話

先々週のことです。私は突然5日間寝込むことになりました。
原因は、ウイルスが膀胱に入り「膀胱炎」を引き起こしたこと。
高熱、寒気、体の痛み、そしてほとんど食事も取れず。頼れるのはポカリスエットと薬だけ。

当然、仕事は完全ストップ。
横になるしかない時間が続く中、5日目あたりでストレスが限界に近づいてきました。

そこで、ふと思い立ってChatGPTと会話をしてみたのですが…

頭が動かない。何を聞けばいいか、分からない

「何か話してみよう」と画面を開いたはいいものの、
ChatGPTが少し難しいことを返してくると、頭に全然入ってこない。
“次に何を質問しよう?”すら浮かばない。

思考がフリーズしてる感覚。

「あ、これは…脳に栄養が回ってないせいかも」と、自己分析しました。

脳科学で見る「思考ができない脳」

いろいろ調べてみると、なるほどと思ったことがあります。

脳って、実は身体全体のエネルギー消費のうち、約20〜25%も使う“エネルギー食い”の臓器らしいんです。
特に「前頭前野」と呼ばれる部分――ここが、集中力、注意力、判断力、言語処理など、まさに「考える」「決める」「問いを立てる」といったビジネスに直結する働きをしているそうです。

この前頭前野は、糖(ブドウ糖)と酸素を主なエネルギー源としているので、食事がまともに取れていない状態では、うまく機能しないのは当たり前。

つまり、あの「考えが浮かばない」「何を質問していいかわからない」という状態は、脳の仕組みから見ても、起こるべくして起きた現象だったというわけです。

普段、無意識にしていた「思考の習慣」

病気で何もできなかったことで、私は気づきました。

私は日常的に、生成AIと自然にやりとりしながら、

  • 情報を咀嚼し
  • 意図を汲み取り
  • 多角的に考え
  • 目的に沿って言語化し
  • フィードバックで調整する

という**“思考のサイクル”**を無意識に回していたのでしょう。

でもそれは、健康な脳と、日々の無意識的なトレーニングがあってこそ成立していた。
その土台が崩れると、こんなにも簡単に「思考の流れ」が断ち切られてしまうのかと、自分自身が笑えるくらい実感しました。

ビジネスにおける「思考と言語化」の重要性

今回の経験から、改めて感じたのは「思考を言語化する力」の価値です。

ビジネスの現場では、

  • 問題の本質を掘り下げる
  • 意図を正確に伝える
  • 他者の意見を受け取って整理する
  • 決断の理由を言語化する

など、すべてにおいて「思考と言語化」は不可欠。

特に、生成AIを活用する今の時代は、「良質な問い」を立てる力が成果を分けます。
これはもう、仕事の質に直結するスキルです。

最後に:思考は“健康”と“習慣”の上に成り立つ

私はこの5日間で、
「思考できる状態であること」
「問いを立てられる自分でいること」が、いかに重要かを痛感しました。

健康な身体、栄養が満ちた脳、そして日々の思考トレーニング。
この3つが揃ってこそ、ビジネスでも人生でも、成果の出る思考ができるのだと思います。

今、何気なく思考できているあなたへ。

それは、当たり前じゃない。
それは、積み重ねてきた**「思考体力」**です。
そしてそれを鍛え続けるには、日々の“問い”と“言語化”が何よりのトレーニングになります。

では、あなたは今日、どんな問いを立てましたか?
どんな言葉で、自分や他者と向き合いましたか?

AIと共にある時代だからこそ、自分の“問いの力”と“言葉の筋力”を磨き続けていきたいですね。
もちろん健康にも気を付けて!